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制作年2013年〜2017年
動物は好きだが、動物園は苦手というジレンマのもとに制作された作品。
タイトルは、サマセット・モームの『The Circle(ひとめぐり)』という戯曲に由来するもので、よく撮影の行き帰りの電車の中で読んでいたのがこの作家ものだった。
「ひとめぐり」という邦題については、時間的に限定されているうえ物事の完結感がなくもなく、この写真集の趣旨とは少し違う意味合いになるが、どちらかといえば循環とか、円とか、あるいは「巡り巡る...」というように文字通り時間的に未完結なニュアンスを含んでいる。
あるとき、一枚の写真を三層の層で捉えている自分に気がつく。たとえば動物園とは観る人間と観られる動物で成り立っており、その中間である両者を隔てる柵や檻という存在を意識しはじめたからである。それは(近景)(中景)(遠景)というレイヤーで構成される「Planet Fukushima」と同じ視点であり、つまり人間と動物を隔てる(中景の檻)の存在は、「Planet Fukushima」における(近景の人間)と(遠景の風景)を分断する(放射能)の存在と同じものなのだ。当時福島と東京を行き来しながら撮影をつづけていたから、視点がかぶるのは当然のことだったのかも知れない。
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